街頭インタビュー


ワイドショーに出てきた街頭インタビューというやつを見ていて、そういえば・・・と10年近く前のことを思い出しました。


夏の家族旅行の途中、原宿を子供たちと歩いていると、TVクルーが近寄ってきてマイクを向けられました。


「これが街頭インタビューってやつかぁ」と思いつつ、質問は「お父さんはお子さんたちに手をあげたところはありますか?」というもの。


きっと”いけないことをわからせるためには手をあげたことも・・・”というような答えを期待してのインタビューであるような雰囲気であったのですが、私の答えは「いえ、一度もありません」


「というより、子ども達に大きな声をあげて怒ったこともたぶんなかったと思います」と。


インタビュアーは”そんなのありぃ?”とでもいうような怪訝な顔で立ち去りました。



その場で思い返してみても三人の子供たちには手をあげたことも、懲らしめるためにひどく怒ったことも確かにありませんでした。私の心がけというよりもむしろ、子ども達が親をひどく悲しませるようなことを一度もしなかったのだと思います。たぶん父親がのほほんとしている間には、連れ合いのお小言はたっぷり子供たちに浴びせられていたのでしょうが。


それから後の今まででも同じように不幸な出来事はありません。


さかのぼって思い起こすと、私自身も親から手をあげられたこともひどく怒られたこともありません。「いい子」であったかどうかはさておき、親との距離の取り方が上手かったのかもしれません。


他人に問われて初めて気がつく幸せなんでしょうか?それともドメスティックな暴力や親子関係のいびつさはTVで大仰に騒がれるだけで、実際には私の家族同様な家庭がほとんどなんでしょうか?


もしかするといやなことを都合よく忘れる能力に長けているだけなのか?私。