知らなかった事実


NHKの大英断で実現したBS2で放送された「ザ・ベストテレビ」は、日本を代表する放送コンクールのグランプリ受賞のドキュメンタリー番組を、民放とNHKの垣根を越えて一挙に放送するという番組。まずは録画してその最初の部分を見ました。


東海テレビ「光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜」


本村さんの事件はメディアでは常に大々的に取り上げられ 「なぜ君は絶望と闘えたのか 」門田隆将を読んで、本村さんと彼を取り巻く人々の苦悩を一般的なニュースよりは深く知ることができたつもりでいたのですが、弁護団の最後の悪あがき(と見えていました)には「死刑廃止論」に裏打ちされた弁護士団の稚拙な策謀くらいにしか思っていませんでした。またメディアの多くがそんな側面だけを取り上げて、邪悪で姑息な集団としか報道されてこなかったわけですが、事実だけを淡々と撮り続けたこのドキュメンタリーで、私が抱いていた多くの事柄がイメージだけの幻想であることを知りました。


この弁護士団の主張が正しいかどうかはさておき、作られ捻じ曲げられた99の報道と一つの反対側の報道。たった一つであってもその重さは99の歪曲されたように見える論旨よりも遙かにずっしりと心に響きました。