黒田恭一さん


休日、図書館に借りていた「ブライヅヘッド再び」を返却しに出かけながら、「そうだ、亡くなった黒田恭一さんの本はあるんだろうか?」と探してみると、書棚には5−6冊が。未読と思われる二冊を借りて自宅で読み始めると、両方とも二十年も前に読んでいました。自分の本棚にもあるはずなのに、二十年も前だとそれなりに新鮮に思い返せます。


ピアソラもオルネラー・バノーニもパバロッティも、黒田恭一さんの著作やラジオ番組で知りました。30年以上前、ジャズに凝り固まっていた頭をもみほぐしてくれて、次々とこれらの偉大な音楽家に目を向けさせてくれました。黒田さんの語り口だからこそ心にするすると入っていったんでしょうね。


彼ほど深い知識を平易な文章でわかりやすく、しかもすぐにでもその音楽を聴きなるほど情熱的に語ってくださった評論家(といっていいんだろうか)は、彼以前にも以後にもいません。人柄と育ちの良さがそのまま文章や語り口に現れていました。偉大な人物がまた一人。。。合掌。