チーズの食べ方


皆さんはチーズをどんな風に食べますか?


どんな風に・・・ってカットしたチーズをフォークで刺して口に運ぶ。なぁぁんて疑問なく思うんでしょうね。


私もそうでした。


だいたい何種類ものチーズをワインと一緒に食べる機会というのは、日本国内では高級フレンチ、イタリアンかワインバーくらいしかないでしょうから、和食の料理屋でどんな風に出すものか・・・先例はほとんどありません。



先日親しくしているフランス人パティシエさんが店にお越しいただいた時、ワインと一緒にチーズもお出ししました。もちろんフォークと共に。


「パンも」ということで、自分用に買ってあったオリーブ入りのパンも添えました。


彼が言うには「フランスではチーズをフォークで食べるっていう習慣はないんですよぉ。ナイフが添えてあって、一緒に出るパンにつけて食べます。チーズにフォークって、お寿司屋さんでナイフ・フォークで握り寿司を食べるみたいな違和感があるんですね」


えーーーー!
皆さんはご存知でしたか?この事実。


外国の文化を取り入れる時、本国人が見るこういう違和感というのはきっとたくさんあるんでしょうね。


海外で日本人以外が経営する日本料理では細かい突っ込みどころ満載・・・という話題は、この日記でもよく取り上げます。


フレンチ、イタリアン、中華、ほか各国料理、それにとってつけたような創作料理は手法を見ただけで取り入れると、恥ずかしいケースがたくさんあるに違いありません。それが日本流にこなれた料理だといえばそれまでですが、私は料理を学ぶことはその国の文化そのものも理解することがこの上なく大切であると思っています。


日本人の心は簡単に外国人には理解できないと純粋日本文化を理想化するように、外国の料理を理解するというのはその国の文化や国民性まで理解していることが本質を知る大切な行為です。


料理学校ではフレンチ、イタリアン、パティシエが大人気で、日本料理を志す若者は少数派だと聞きます。どっぷりと島国日本文化に浸かった日本人が、何にもしなくても骨の髄まで理解できるのは日本料理なのに。。。と、若者たちに小声で伝えたい気がします。