旅の意味するもの


昨日から繋がるお話。


旅が若者に刺激を与え、人間を大きくすると考えられたのはすでに昔のお話かもしれません。


私達のころ、たった30年前から比べると昨今は外国がきわめて身近になりました。未だに海外に憧れる若者はたくさんいるとはいえ、精神的なものを求める旅は私達の時代前後で終わってしまったのでしょうか。ヒッピー・ムーブメントよりも少し後の世代でその名残の中で青春時代を過ごし、シルク・ロードの大ブームもあって、インドに憧れたり、西欧に憧れたり。外国に行けば何かある・・・と妄想して貧乏旅行に精を出したのです。


考えてみると高校時代からの親しい友人達はほとんどが何らかの形で長期の旅をしています。


あるものはシルク・ロードを半年かけて歩き、あるものはアメリカに滞在し、あるものはスペインに滞在し・・・私もアメリカ、カナダをバックパックを担いでグレイハウンドに乗り半年ほどを過ごしました。


あの旅で得たものはなんだったんでしょう?人間を大きくするようなことはありませんでしたが、若くなければ得られない刺激に満ち満ちていたことは間違いありません。日本では出会わない人との出会い、異文化との開合、様々な困難をひとりで乗り切るための精神力、そして自分が日本人であることを思い知る思索の日々。旅の思い出だけで残りの半生を生きられるかもしれないと思うほどの充実感を得たことは幸せでした。あの幸福感だけでも旅の意味はあったのかもしれません。


今の若い方々の旅の意味はどんなところにあるのでしょうねぇ。聞いて見たい気がします。


んですから、今の若者の「自分探し」を笑うことなんか全然できない私です。とはいえ、生活者としての食べていくための切実な努力を怠ることはなかったのですが。。。