備忘録として


「国富論」原丈人 たまたまリーマン・ブラザース破綻の時にジャスト・イン・タイムで読んでいたので論調にも信憑性が増します。もともとグローバリズムに乗っかった利益最優先主義には大いに疑問を感じていましたので面白く読みました。


「私の中の日本軍」(上下)山本七平 
「日本人はなぜ謝りつづけるのか」中尾知代 
この夏、NHK「兵士達の証言」を正座するようにして観ました。「なぜ日本人は戦争に突入していったのか」「戦争では何が起こっていたのか」「どうして無益な死が頻発していたのか」「どうやって日本は負けていったのか」などなど戦争に対する疑問は常に持ち続けていたいと思います。あの戦争を知らない私たちの世代は積極的に戦争の悲惨さと、それを引き起こした日本人のメンタリティーを確認する作業をしなければなりません。なぜなら戦争という暴力を私たちの世代で再び引き起こしてはならないから。「日本人はなぜ謝りつづけるのか」は今までぼんやりとしか知らなかったイギリス人の日本人への心持を断片でも知ることが出来た貴重な読書でした。


「そうだったのか現代史」池上彰 リアルタイムで知っている現代史の数々も、事件そのものは見聞きしていても、前後の経過とそれが世界とその後の歴史に果たした影響を系統だって確認することはなかなかできません。ソ連崩壊 ベルリンの壁の歴史 イラン イラク イスラエル ひとつひとつで何冊もの本が書けるのでしょうが、この本は全体の流れを明確に現してくれる教則本になっています。「いまさら・・・」と思わずに読んで正解。


「千年の祈り」イーユン・リー やっと読めました。中国の奥深さにため息が出ます。大作です。


「のぼうの城」和田竜 いい作品なんですけどね。帯にあるような絶賛に値するか?・・・と思ったら、絶賛のほどんどは芸能人。TVのグルメ番組で「美味しい!!」と連発され「お奨め!!」と太鼓判を押される料理屋が芸能人の言葉通りか?料理ならTVの眉唾は簡単に喝破できるのに、本ではだまされちゃうのよねぇ。稚拙な私。でも決して駄作はないのですよ。脚本のプロットとしたらかなり秀逸なんですが。