近頃の若いモン


「近頃の若いモンは・・・」と語ってしまう年齢に充分に達してしまっていても、意地でも言いたくありません「近頃の若いモンは」とは。それでも斜に構えてみるメディアに、あまりにも頻繁に「このところの若者の気質は明らかに危ない」などという言葉を見続けると、今に始まったことではないはずの「近頃の若いモン」口調にグラグラと偏り始めている自分に気づきます。


が、そんなことはありませんでした。


今日わざわざ店を訪ねてくれた20代半ばの新婚カップル。新婦は小学生の頃から知っている家族ぐるみのお付き合いのある女性です。この数年は会う機会が減ってしまっていたのですが、成人して久しぶりに会い、パートナーとなった男性も紹介してもらうと、これが二人とも120%「近頃の若いモンは・・・」ではありません。私の同年代の頃に比べてもはるかに大人だし世間をわきまえています。彼らが次代を背負ってくれるなら文句無く任せられる、いえ、私なんぞよりはるかに出来のいい若者なのです。自分の子供達の友人を見ても、メディアが取り上げるような「近頃の若いモン」とは正反対のしっかりモノばかりです。そうした若者達は親の背中をしっかり見つめ、昔の日本人よりもずっと上等に育っているように思えます。メディアで知識人が語るように「昔はよかった」では全くありません。


先日もラジオに登場していたTVでコメンテーターを務める文化人のご神託を聞いていると(「○○の品格」ばりの新書の宣伝がらみインタビュー)は、話はまるでおばちゃんの井戸端会議にちょっとした講釈と社会情勢のスパイスを絡ませた程度の下世話な内容で、「近頃の若いモンは」と「昔の日本人はこんなんじゃぁなかった」に終始しています。この程度の人格が世間の常識を代表するコメンテーターと政府の○○審議会の委員であることを思うと、身近な若者のほうが謙虚な分ずっと上質に思えます。


まったく「近頃の愚痴の多い年寄り」の方が始末が悪いのです。(という愚痴話をする私も年寄りですが)