日本人の美徳


先日ウチの子(犬)を予防注射に連れに行ったときのことです。


人気の獣医さんで、開業30分前だというのに門前には7−8人(with犬猫)の待ち人がたむろしていました。特に整理券を出すわけでもなく、列を作っているわけでもないのですが、開業時間となって医院に入っていく際には全員が周りを見極め「私の順番は・・・」と整然と順をなしていきます。誰が誰の前で自分の前にはどの人がいたのかを推し量っているのです。


中国人なら「私のほうが先だ」「私はその場にいなかったけど先に来ていた」などと喧々轟々になるかも、ブラジル人ならドアが開いた瞬間に全員がなだれをうって殺到するかも、アメリカ人なら予約をするなり整理券を出さないのは病院の責任・・と訴えるかも、ドイツ人なら何も言わなくても列を作っているかも(いい加減な想像ですから真に受けないでね)




映画「マジック・アワー」を先週観てきました。三谷幸喜作品にがっかりすることはまずありません。この人と同じ時代の空気を吸っていられることが幸せです。


と、それはさておき、人気映画だけあって観客は普段私が観る映画の5倍の客入り、客はぞろぞろと入ってきます。映画の予告編が始まるちょっと前、同じ列の端のほうで席の列に入ろうとした若い女性が自分のポップコーンのすでに座っている客のひざの上に全部ばら撒いてしまいました。まわりはポップコーンだらけ。


どうするかな?と見ていると、女性は「申し訳ありません」と自分ハンカチで客のポップコーンを払い落とし、「ゴメンナサイ」と外に駆けていきました。するとすぐに箒とちりとりを持ったスタッフを連れて現れ、一緒に手際よく周りを掃除して無事予告が始まる前にきれいにしてしまいました。もちろん最後には丁寧に頭を下げてもう一度「申し訳ありませんでした」と。



若い人、捨てたもんじゃぁないぞ。
日本人、メディアがいうように地に落ちてはいないぞ。