思わぬ読者


「昨日、ブログ拝見してました」


「えっ!この方が?」と思わぬ方に声をかけていただくと、「えーーーと、なんかまずい事かいてないよなぁ。。。」としばし思いをめぐらします。



10年前、ブログという言葉はもちろん影も形もなかった頃、日記を書き始めたときには、回りの知り合い、お客様のうち100人に一人くらいが読者という感覚でした。その頃のインターネット利用者は世代も利用者数も限られていました。60歳以上の方の読者がいれば驚き、同業の板前の読者も奇特な存在であったのです。ですから「あの方が見ているからこの話題を」「この人が見ているからこういう批判は言いにくい」と、ここの読者を思いながら日記を書くのが通常といっても過言でないほどでした。


三年後くらいになってアクセス数もそこそこ増え始めた頃、「なんかまずい事」が的中して慌てた時に、「目の前にいる人99%は読者である」というつもりで話題を選んできました。「なんかまずい事」はいつでもケツをまくれる覚悟で書かなければならなくなりました。


今、状況は全く変りました。仕入れに出かけてもそこで出会う半分くらいが読者で、お客様の話題ではめったに愚痴もこぼせないほど読者は増え、net利用者は激増しています。ブログという言葉が世間に現れた頃から時代は大きく変化したのです。




昨日、日々徘徊するブログの整理し、お気に入りの削除をしました。更新がいつの間にかなくなってしまったブログ、一時のモジュベーションの高さが衰え、更新を見かけても立ち寄らなくなったブログ、削っていくといつの間にか10件の削除。サイトを維持していくのは難しいものです。この五年間つねに更新を楽しみにしている日記がいくつあるでしょう。五年続いている日記はそれ以前もこれからも安心して読者でいられるような気がします。私は・・・・というと、つまらないお話でも継続だけがたよりの日記です。しかもこの一年くらいは「書けなければ無理に書かない」ともキッパリ心に決めました。さて、世の中で何人の方が「板前日記」をお気に入りに登録してくださっているのでしょう?