星新一 「一〇〇一話をつくった人」

最相葉月さんの星新一 「一〇〇一話をつくった人」を読みました。


圧倒的な取材力、それを纏め上げる構成力、物語る創造力、ノンフィクションのもつ力をあらためて実感する渾身の一冊でした。


恥ずかしながら名著と言われる「ハイペリオン」にさえ挫折したSF音痴の私には、SFを語る力もショートショートのおもしろさをご披露する能力もありません。そういう私でもこの本を読んだことで星新一という偉大な作家を知っただけでなく、日本でのSFの発展さらには戦前の星製薬の成り立ち、歴史までつぶさに理解できるのです。


これだけの本を素人ブックレビューでは”この程度なら日テレ「いつみても波乱万丈」でも可能だろう”と言います。私の店に来て「ウチで食べるコンビニ弁当の方が美味しい」と言っているよりもたわけたざれごとに聞こえます。今のTVメディアでは5週連続一時間番組でも成しえない偉業だと私は間違いなく思います。