少数派の楽しみ


NHKFMには少数派をないがしろにしない楽しみが未だたくさん残されています。


私にとっての黄金の時間は土曜日の夜9時から翌1時までの四時間。


吉田秀和さんの「名曲の楽しみ」(吉田さんの番組は少数派ではないかもしれませんが) 重鎮のお話はそこにあるだけでありがたい。 


続いて聞き逃せないのが「FMシアター」 今時一時間枠のラジオドラマが存在していること自体奇跡的であるだけでなく、一作一作のレベルがとても高いのです。TVドラマと違って音から映像のイメージを膨らませることが普段ない分新鮮な経験ができます。


さらに11時からは児山紀芳さんがMCを務める”JAZZ TONIGHT” ジャズファンにとって二時間の番組は至福です。





FMの番組とは違うのですが、wowwowで放送した1960年クインシー・ジョンーズのビックバンドのパーフォーマンスはとても興味深いものでした。


1960年。パリで上演を予定されていたミュージカルのために渡欧していたジャズマンたちが、急遽キャンセルされたミュージカルに変わって自分たちでビックバンドを組んでヨーロッパを回ったと言うことは有名なお話です。しかしながら映像でそれを見たのは初めてです。


現れるミュージシャンはリーダーのクインシー・ジョーンズのほかに、クラーク・テリーフィル・ウッズという有名処から、ジェローム・リチャードソン、クウェンティン・ジャクソン、ベニー・ベイリー、ジミー・クリーブランド、アケ・ペルセン、サヒブ・シハブ、ジュリアス・ワトキンスといったその後ヨーロッパ・ジャズ・シーンを牽引するミュージシャンが多く含まれています。この後、ヨーロピアン・ジャズマシンがあり、フランシー・ボーランビックバンドがあり、アルペン・パワーバンドがあり・・・とジャズファンを魅了してきたバンドの根幹はこのビックバンドに存在したのでした。


・・・・などという楽しみはかなりの少数派の至福。