閉ざされた社会


田舎町で料理店をしていると生活のパターンは決まってきます。毎朝同じ場所に仕入れに出かけ、朝から晩まで調理場の中で仕事、ちょっと買い物に出かけるのも歩くか自転車で10分程度の範囲に収まってしまい、デパートやショッピングセンターには必要最低限しか出かけません。お客様も誰でもがふらりと立ち寄るという店ではありません。そうなると日々見かける人、接する人たちの範疇も似た感じになるのですね。


先日ずいぶん久しぶりに在来線に乗る機会がありました。車内を見渡すとこれが実に雑多で普段お目にかからない人々のごった煮です。TVで見るようなファッションの女子高生にであったのは久しぶり。これからギャンブル(競艇 オートレース)に出かけるであろうかのようなご老人、近所ではお目にかかりません。工場で働いている外国人、この地にはたくさんいるはずなのですが私の生活圏ではほぼ目にしません。そのまま巣鴨あたりを歩いても違和感のないおばチャマたち、私の街に多数現れることはまずありません。生活に疲れた風のサラリーマン、オタクっぽい風体の若者、ずっとべたべたしている若いカップル・・・ああ、この地にもいるんだなぁって思うほど新鮮な感じ。


首都圏で生活し、地下鉄やJRに乗れば当たり前にいる人々なのでしょうが、今の私の生活の中で接する人ことはない人たちがたくさんいるのだ・・・と、ハタと気がつきました。


この在来線に乗っている人たちのうち私ン処のお客さまになりそうな人・・・・1%もいません。ずいぶん閉ざされた社会の中で自分が生活していることを実感する電車の中でした。まったく箱入りオジサンです。