8月6日


昨日8月6日は広島原爆忌の日でありました。


開高健氏は著作の中で「広島平和記念資料館アウシュビッツは世界中の人々が必ず訪れるべきである」と述べています。


私が広島を訪れたのは大学生時代、夏の演奏旅行の日程の中の一日でした。演奏旅行となると昼過ぎに現場に到着し、リハーサル。本番までに食事を済ませ休憩をとると市内観光の時間はそれほどないのが通常です。それでも広島に来られたのなら平和公園にはなんとか・・・と、時間をやり繰りしたのでした。


広島平和記念資料館はそれまで訪ねたどんな博物館、美術館、資料館よりも深く心に残るものでした。


十万回の「戦争反対」、百万回の「原爆反対」の言葉よりも一回の平和記念資料館訪問の方が間違いなく説得力があります。世界中の指導者は資料や映像として核の威力を認識しているのかもしれませんが、この資料館を見なければ核を知ったとは言えません。ここを訪れて自らの道徳心を揺れ動かされないようなら、指導者として人々の上に立つのは大いに問題です。核のスウィッチを持つ人間にはここを訪れることを義務化すべきです。実際に見てみることと知識として知ることのギャップがこれほど大きなものであるを認識したのは広島が初めてで未だに最強です。


一回の広島訪問だけで、8月6日は私の心に一生刻まれ、どんな形でも兵器としての核には反対する強い気持ちが形作られたのでした。