石田徹也展〜日曜美術館30周年展

clementia2007-07-30



昨年の九月、NHK教育TV「新日曜美術館」で初めて知った石田徹也
という存在。日曜日にやっと展覧会で見ることが出来ました。


悲しくて 辛くて 痛々しくて 厳しくて・・・すべての絵を見た後は、今の日本の寂しさを全部背負ってしまったようなどっしり重たい気分を抱えてしまっているのに、すべてを吐き出してしまったさわやかさも同居しているような妙な気分。芸術に社会性を求めることには否定的であったことなど忘れてのめりこむように石田徹也の世界に浸りました。



その後覗いた「日曜美術館30周年展」石田徹也とは鮮やかに好対照の展覧会でした。


萩原守衛 関根正二 鏑木清方 ルドン 小川芋銭 前田青邨 八木一夫 黒田清輝 ルノワール ルオー 狩野芳崖 富岡鉄斎 ピカソ 佐伯祐三 高村光太郎 藤島武二 熊谷守一 棟方志功 中川一政 岡本太朗 加山又造 楠本憲吉 秋野不矩 三岸節子 濱田庄司 濱田庄司 そしてそしてやっと出会えた田中一村


なんという豪奢 なんという存在感 なんという芸術性


普通ならオールスター・キャストはお互いがお互いを打ち消してしまってぼんやりぼやけてしまうのに、展示されている一点一点の迫力が凄くて、その場その場でしばらく動くことが出来ません。


石田徹也展で絵画のもつ社会性にも納得したというのに、数十メートル離れた場所で数分後には、湧き出るような抑えることの出来ない芸術に社会性など必要ないのだという確信に変わってしまっているのです。日本にはこんなに素晴らしい芸術家が生まれ、30年の長きに渡ってそれらを地道に紹介し続けている番組があるのです。まっ、もっとも石田徹也を知ったのも同じ番組であるのですが。。。。


両極端の感動を味わって夏の木立の中を散策しつつ、「県立美術館へ行くのはこのパン屋さんに立ち寄れることも大きなお題目の一つ」と思える激旨の小さなパン屋さんで、抱えきれないほどのパンを引っさげて家路に着きました。