web日記〜日記才人


web日記などという言い方はもうしないのでしょう、ブログですね。「日記才人」が7月で終了という話題をブログ(日記)で取り上げる方々の多くは、前身の「日記猿人」当時からのweb日記書きだったりします。


私がインターネットを始めたのが1995年、すぐにweb日記なるものが存在することを知り、当時の「日記猿人」は日々立ち寄らない日がないほど様々な方々の日記を拝見するのが楽しみでした。「インターネットでこんなことが出来るのか」「web日記上には何と文才豊かで楽しい文章を書ける人々が多いことか」10数年前には驚きでした。毎日拝見し楽しんでいるうちに、自分自身では三日坊主の典型であった日記なるものを書いてみようかという気がムクムクと起きてくるのは自然な流れでした。


自分で仕事上のwebサイトを立ち上げたのが1999年、料理店のサイトである以上に、日記を通じて板前の日々を書き綴ることでお客様に「語りすぎない」スタンスをこちらでぶちまけようという魂胆がたっぷりでありました。日記が店のwebサイトのメインになったのは「日記才人」で接していた方々の影響そのものであったのです。


毎日「日記才人」にアクセスし、自らも日々日記を書き続けても、結局最後まで会員として登録することはありませんでした。ランキングに参加したいという欲望を何度押さえ込んだことでしょう。ランキングに参加すれば、未知の多くの方がに見ていただきアクセス数も爆発的に増えるに違いない・・・妄想はあくまで妄想です。私の板前日記程度のものが参加してもランキング上位はおろか、「なんで見てくれないのだ」とストレスが大いに溜まっていたに違いありません。何より、板前日記は店の営業上の日記であることをいつも念頭に置かなければならないのでした。それまで数年、web日記のランキングの弊害も多々見続け、参加している方々の年代も推測できるようになって、結局の処日記才人に参加しなかったことは正しい選択であったと思い至りました。


とはいえ、web日記の掟を教えてくれ、板前日記のあり方を示唆してくれたのは多くのweb日記書きの皆さんでありました。10年以上触れてきた息の長い日記書きの皆さんのサイトには、未だにお付き合いのある方々も多くあります。そこから仕事上のお付き合いができたり、娘の進路に大きな影響を与えてくださる方がいたり、すべては日記才人日記猿人)から始まったのでした。時代の流れとともに姿を消すとはいえweb日記創生期のエポックとして長く記憶に留めたいものです。