続けること


以前に「周りには筋のいいお店がそろっていてありがたい」というようなことを書いた覚えがあります。


「筋のいい」代表格であったお向かいのクラブが今月で閉店されます。まだとても若く見えるママですが、20周年を区切りの閉店なのだそうです。落ち着いたいい店でしたので、お客様にも安心して紹介できたのに残念です。



この2-3年で向う三軒両隣のお店は残念なことにどんどん様変わりしています。


お隣は5件のお店が入るテナントビルですが、10年経って様変わりしていない店は一軒だけです。反対側のお隣は10年で二件目のお店に。さらにそのお隣は10年で4回変わり。お向かいも20年で三回変わっています。20年のスパンで同じ仕事をしている店は一軒もないのです。


それだけ厳しい時代であるともいえますし、消費者は次々と様変わりしていくことを望んでいるのかもしれません。特に飲食店を長い間維持していくことの難しさは周りを眺めただけで実感できます。


お得意様のおかげで私ン処は80年以上続いてはいるのですが、決して世間で認知された有名店ではないこともよくわかっています。いつだったか、同窓会に出席した折のことでした。35年ぶりに会う同級生の話から、近所の飲食店の奥さんが同級生にいることがわかりました(店には出ていなかったようです) 


早速、彼女の処へ挨拶に「私、ご近所で同業の料理屋をやってるんですよぉ。○○といいます」と、私。


「へーー、そうなんですか。最近始められたんですか?」と、彼女。


創業80年といったって、100mほど離れたお店の奥様にも知られていないんですから、お粗末なものです。