梅煮

clementia2007-06-05



梅雨の季節になると青梅が出回り始めます。


一般に有名なのが紀州南高梅。粒が大きくて梅酒、梅ジュース、そして特に梅干には最適といわれる梅です。


この三年ほど毎年使っているのが同じ紀州の古城梅(コジロウメ)です。南高梅よりも早い時期にごく短期間だけ出る梅で、収穫量が少ないのと年による生育の差が大きいことで青いダイヤとも言われるのだと聞きます。古城梅は種が小さく、煮て青さが出やすいことで梅煮には最適です。




「親方、今年も古城梅がほんのちょっと入ります」と野菜を担当してくれている信頼するスタッフが伝えてくれました。彼の「お奨め」は間違いのない品物ばかりなのですが、その稀少性を私がぼんやりしていてしっかり認識していないことがあります。


先日ご紹介した香川産の極太ホワイトアスパラは毎年ごくあたりまえに使わせてもらっていたのに、実は県内に○本という単位でしか入荷していないということはつい先日初めて知りましたし、この古城梅もサイトなどで調べると、回してもらっている品物はかなりの上質なものであることがわかります。Kg単価がまるで違うのです。


いいものを優先的にいただいている以上、そのがんばりにきちんとした仕事で答えたいものです。梅煮は皮を破らないように青く仕上げるのがとても難しい仕事です。しかも毎年1-2回を大量に仕上げますので、一回の失敗が大きく響きます。30年の経験があるといったって30回は煮ていないのですから。


さて今年の梅煮が仕上がるのは明後日。下に大納言をひきつめた梅酒の寒天で寄せる定番でデザートになる予定です。