黴菌


料理店を営業するためには、何年かごとに定期的な保健所の調査を受けなくてはなりません。前回の調査の時にはお上から表彰していただく程度に衛生的には「問題なし」とお墨付きをいただけているのですが、そのくらい気をつけていても黴菌は必ず様々なところに発生するのだそうです。


以前に保健所の方が黴菌の教育のためなのか、手やまな板にどの程度の雑菌が潜んでいるのかを示すような調査に来たことがありました。


どれほど手洗いをきっちりしたつもりでもシャーレと寒天を使うと雑菌が現れます。まな板も逆性石鹸と洗剤で洗って熱湯をかけても雑菌は残るのです。(雑菌がひとつでも残れば即食中毒ということはありえません)


「それじゃぁ包丁も調べてみましょうか」という保健所の方の言葉に、あまりにも「ココにも雑菌」「アソコにも雑菌」と言われた私が少々悪戯心を出して、調べる直前に逆性石鹸と消毒用アルコールをタップリかけてから渡すと、「あれ?少ないなぁ」と。


「ほら包丁にもこんなにたくさん」と言って黴菌に注意を喚起するつもりであったのでしょうが、ありえないほどの菌の少なさにビックリしたようです。



つまりどんなに衛生的にと仕事をしても雑菌が皆無というのはありえないということなのです。要は菌を莫大に増殖させるような環境を作らないことが食中毒発生のキーポイントのなるのですね。


聞いた話では某コンビニ弁当の工場では、一つ料理を盛り付けてはアルコール消毒液をシュッシュッ、一つ盛り付けてはシュッシュッ・・・なのだそうです。アルコール消毒まみれの料理と普通に衛生的な環境で作られた料理、どちらがいいですか?