それ!全部!

clementia2006-08-30



独り占めが大好きな板前です。


美味しいものはたくさん自分の処で使わせていただきたい。贅沢なお話ですができれば「全部」



たとえば、茨城県石岡の「渡船 大吟醸原酒斗瓶取」もともとの生産量も少ないお酒なのですが、私がいただいた平成16年の渡船は二年の熟成を経ても香りが全く衰えず、原酒の強さが熟成を経て柔らかくなったとてもいいお酒でした。とりあえず酒屋さんが持っていた4本を全部頂戴して、


「蔵にも残っていたらほしいなぁ」と伝えると


「12本だけ残っています」と


「じゃ、それ!全部頂戴!」


多分日本中にある渡船の平成16年のほとんどは私ン処にある・・・というのが心地よかったりします。とはいえ、酒好きがだれでも知っているというお酒ではありませんので、心の中で小さく満足しているだけではあるのですが。


当然のようにお客様の受けもよく、残りは一本だけ。



岡山県倉敷 歓びの泉 大吟醸「極至」は歓びの泉の最上の大吟醸なのです。なかでもいただいた「極至」はさらに斗瓶に取った鑑評会の出品酒金賞受賞酒で市場に出回るのは極わずかだそうです。歓びの泉にこの手の稀少酒があることを知らずに、試飲して


「それ!全部!」といっても酒屋さんに3本だけでした。


さらに蔵に連絡してもらうと「平成16年BY」が6本だけ蔵に残っている・・・・と。「じゃ、それも 全部!」


こんなに美味しいお酒は独り占めして私ン処のお客様にタップリ楽しんでいただきたくなります。これもおそらく日本中にそうたくさん存在はしないお酒です。







「達磨正宗昭和54年純米甘口果実香」は何度も何度もその素晴らしさをこのサイトで伝えてきたお酒ですが、一般市場ではすでに手に入らなくなったお酒です。私ン処にある残り三本で全部。そうたくさん市場に残っているとは思えません。






サンタバーバラ ジンファンデルエッセンス2003」も以前に書きましたが、2003年が最終ヴィンテージの上に、出荷量は世界でわずか300ケースちょっと。お付き合いのある酒屋さんにあった12本は全部頂戴しました。





料理屋においてあるお酒はコレクションではなくて、あくまでお客様に飲んでいただいてナンボ。私ン処にある「それ! 全部!」はマニア心をくすぐる以上にまず「美味い!」が大切であることは言うまでもありません。