祝儀袋さらに


前回祝儀袋のことを書きましたら、いただいた味岡さんからさらに詳しい説明をいただきました。


”小笠原雪京先生から、正式な金封を欲する方にお渡ししてください、と言われております。私が先生の金封を御預かりするとき「熨斗鮑も本物ですから、焙って召し上がれます。」おっしゃられ、それまで黄色のビニールやセロハンでしか見たことが無く、大変驚きました。
小笠原先生に、折形、熨斗、水引の謂れや扱いを、なるほどと腑に落ちる様に教えてくださり、先様が居られる場面では、自身が恥を掻くだけでなく先様に失礼になるので、大切なことだなと思います”


と。


熨斗鮑についてはこんなサイトとかこんなサイトを見るとその謂れが理解できるのですが(この辺りは修行時代に教えてもらいました)「最近は因習の何たるかを理解していない」と大きなことを言っていたのに、まさか本当の熨斗鮑を使っているとは思っても見ませんでした


「先様が居られる場面では、自分だけでなく、先様に失礼になる」


そう、そういう心遣いが今必要なのですね。



結婚式は音楽教師の新婦ということもあって、ちゃんと音楽教育を受けたプレーヤーが次々と高いレベルの演奏を繰り広げ聴き応えのある余興が続く楽しい披露宴でした。


しかし、この数年出席した6回の披露宴の料理は今回も含めすべてフレンチ。私ン処では、「和食で是非」とおっしゃってくださるお客様が宴席を設けてくださるのですが、世の中の趨勢はどうやら一段とフレンチ志向になっているようです。10年前に比べると、フランス料理は一般客にも認知されているとはいえ、日本料理の職人としては一抹の寂しさもあります。披露宴で大勢を相手にしたときに説得力のある料理が提供できていないということなのでしょうね。