ジャッキー・マクリーン


アルトサックスフォン奏者ジャッキー・マクリーンが亡くなりました。


私たちのように1960年代にジャズを聞き始めたファンにはジャッキー・マクリーンといえば、やっぱりマル・ウォルドロン「レフト・アローン」での切々と歌い上げるジャッキーのアルトです。あの時代、あのアルバムがジャズそのものでした。公民権運動の余波がまだ残る頃、虐げられた黒人の咽ぶような声がジャッキーのアルトにはそのまま聞こえるような気がしたものです。さらにビリー・ホリディのピアノ伴奏を努めていたマル・ウォルドロンが一人残されてなくなったビリー・ホリディを偲ぶというアルバムですから、ジャッキーの亡き節は最初の一小節だけでファンの涙を誘うのでした。あのアルバムを聴くと当時のジャズをめぐるにおいが蘇ってきます。合掌。