どっちが長い?


賢い料理人はだらだらと仕事をせずに集中をして短時間に仕事を仕上るのかもしれませんが、あいにく凡庸な私は長い時間仕事をしていたことで満足感を得てしまうようなところが未だにあります。


ちょっと忙しい日になると、一日のうち1時間でいいから自分の時間をまとめて使いたいと思うほど仕事に追いまくられたつもりでいるのですが、毎日もっと仕事をしている料理人はちゃんといます。


毎朝必ず私よりも早く魚屋に仕入れに現れている同じ日本料理店を経営する料理人さんがいます。仕事は丁寧で意欲的ですし、機嫌の悪いところを見たことがないほど温厚で尊敬できる存在です。


ある日この親方に聞いてみました。
「親方、仕事が終わるのって何時ごろなんですか?」
「そうですねぇ、大体12時から1時くらいですかねぇ」


仕入れから帰って8:30、すぐに仕事を始めるそうですから、昼寝の時間以外7:30〜夜の12:00まで毎日目一杯仕事をしているということです。私も7:30の仕入れから11:00〜12:00までは仕事はしているのですが、昼寝の時間以外にも仕入れから帰った後に30-40分くらいのんびりする時間があります。完璧に負け。長時間仕事をしていると満足していたつもりが上には上がいらっしゃいます。しかも集中力も半端ではない。


「1時間のまとまった時間が欲しい」なぁんて言いながら、毎日板前日記を書く時間もやりくりできるほどには暇なわけで「忙しい忙しい」なんて言っていたら罰が当たりますね。