”SAYURI”


映画”SAYURI”を見てきました。


昭和初期、京都を思わせる地の売れっ子芸者の一代記をハリウッドが描いた話題の作品です。チャン・ツィー、コン・リーミシェル・ヨー、そして桃井かおりと工藤ゆきの「アジア」の女優陣の存在感を楽しむ映画です。


玄人の映画評を読むと「玄関先に土足で上がり込まれたような違和感を覚えつつ、その悪びれたふうのない厚かましさにあきれ感心もする」とか「日本のイメージを結集したファンタジーとして見れば、ある種の比較文化人類学的興味とともに、腹を立てることなく楽しめるだろう」とか「我々日本人としては、”あれはヘンじゃないか””あんなモノはありえない”といった類の不満は、抱いてはいけないのである。その点を気にし出したら、恐らく本作を楽しむことはできない。これは、外国人の考える”日本および日本女性の美しさ”を、彼らなりのやり方で(恐らくアメリカ市場向けに)勝手に描いた作品なのだ」と語ります。


という彼らは「水揚げ」経験はもちろんないとしても芸者遊びの経験はあるのでしょうか?昭和初期の京都花柳界の事情を知っているのでしょうか?芸者を身近に感じた経験があるのでしょうか?結局日本人だからなんとなく知っている事情を裏づけ にして「紛々モノであることはハリウッド映画であるからさておき」といっているわけで説得力がありません。


「あんなもんは日本じゃない」という前にハリウッドがこれだけ日本の文化を理解しめしていること自体、「?」はあっても大枠では決して嘘ではない内容に敬意を表したい気がします。いい映画でした。