遠出


車で一時間半ほどの酒屋さんを久しぶりに訪ねました。


これまで定休日が同じで、なかなか出かける時間をみつけられなかったのですが、休日がずれてやっと思い腰をあげました。本来なら一年に何回か訪れて御主人、奥様とお話ししながらお酒を紹介していただくのが理想です。お会いして顔を見ながら話をするのと電話越しではやっぱり違うのですね。


さらに今のこの時期は各蔵からとっておきの大吟醸が出回る時期でもあります。一年に一本だけの割り当てしかないお酒もあって、そのあたりを頂戴するのも大切な目的。今回も冷蔵庫にもぐりこんで「お宝」をたっぷりいただいてきました。限定酒はもちろん、この酒屋さんで寝かせた古酒の数々は綺羅星のようなお酒ばかりです。


中でも常温で20年近く寝かせたものの試飲は私の日本酒の常識を覆すものでした。


昭和61年剣菱二級酒
昭和63年磯自慢純米吟醸
昭和63年(?)高砂純米吟醸


磯自慢と高砂吟醸酒   「純米吟醸の常温熟成は生ヒネの可能性もあるのではないですか?」と聞いた私に、ご主人は「たとえ生ヒネしてもそこからさらに10年くらい寝かせると別のものになっちゃうんですよね」と。


壊れたお酒が違う存在感をもって再生するのです。


剣菱は強烈でした。大手というだけで馬鹿にする輩(私もそうかも?)はこういうヤツを飲んでみるといいのです。ヒネ香がきれいで重厚感があります。こんな二級酒を飲んだのは初めてでした。たぶん世の中に10本とは存在しない極めつけの古酒を経験できたのは幸せでした。



酒の仕入れも休日の仕事のうちではあるのですが、楽しくお話をさせていただき、「お宝」をたっぷり頂戴して、帰りに吉田「藪宮本」でお蕎麦を満喫し、再び車に乗った頃にFMで山下達郎サンデー・ソングブック」  うーーん仕事なのか休日なのか?