プロ患者

最初に腰を痛めてから15年。一度ひどく痛めると何度もぶり返す厄介なヤツです。


長い間腰痛とお付き合いしていると、折り合いのつけ方もそれなりに上手になってきます。とはいえ、わかっていても仕事が忙しくなると無理を繰り返してしまって、上手なはずが今回のようにひどい状態になってしまうことも何度か。直すためにはまさに藁をもつかむ心持ですから、これまでに胡散臭いものも含めて、考えられるありとあらゆる治療を試してきました。


あそこの整形外科がいいといえばすぐ伺い、こちらの鍼、あちらの中国鍼、カイロプラティック、整体、中国整体、スポーツマッサージ、、、、加持祈祷・・・はないけど。。。即効性のあるヤツ、何年もお付き合いをするもの、ほんの1-2回であきらめるもの、様々です。


なんといっても自分の体との相性が一番ですので、どれほど高名でも評価が高い方でも、合わない時は仕方がありません。ただ、様々なプロに治療していただいているうちにこちらも患者のプロになってくるわけで、ツボを的確におさえる能力は身体で理解できるようになってしまいます。押してくれなくても触っただけで「あっ、この人はいけそう」「こりゃ通うだけ無駄」が最初の一さわりでわかります。さらに問診の的確さと、患者の痛みや精神的辛さを理解して気遣う心持があるかどうかは即わかるのです。ヤナ患者です。


これって料理の世界の、一見の店でも電話の対応の仕方や、店構え、お出迎え、部屋のしつらえなどだけでも続く料理のレベルが推し量れると同じです。さらに最初の一皿だけでもその日の満足度は90%理解できます。レベルの高いプロフェッショナルの仕事はどこでも同じです。


それにしても今回の腰痛は無理が重なって徐々にひどくなるパターンと違って、大きな原因がなく一日でドドーンをひどくなった稀なケースです。一番の治療は一ヶ月くらいゆっくり休養すれば万全なのですが、これこそ絶対無理。引退したら腰痛ともおさらばできるであろうとひそかに期待するのであります。