チョコレートさらに

9月28日の日記に「東京あたりのショコラティエで売っているヨーロッパからのチョコレートが以上に高く思えるのはなぜ?(小さな一個が¥260)誰か教えてぇ」と叫んだところ、尊敬するパティシエとその奥様から丁寧なmailを頂戴しました。以下抜粋させていただきます。

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フランスを始めヨーロッパでもチョコレートは高級品です。


もちろんスーパーで売っているものから、街や村の小さなお菓子屋で売っているもの、パリの一等地にある荘厳なまでのショコラティエまで、様々なクラスがありますが、大切な誰かをお迎えする時、どなたかのお宅へご訪問する時、女性のご機嫌治し等々、とても重要なアイテムの一つです。


その存在の重要さからヨーロッパ人にとってチョコレートは多少高くてもO・Kなんだ
と思います。


日本で販売されている有名ショコラティエの輸入品は、現地価格の1.5倍から3倍くらいは掛けられています。私の大好きなジャン・ポール・エヴァンのチョコレートは、感覚的には2倍位してるかな〜と思います。温度変化に弱いチョコレートの輸入はやはりそれなりに大変なのでしょう。実はパリのショコラティエもカカオから製作している所は、ジャン・ポール・エヴァンとメゾン・ド・ショコラだけだったと主人から聞いたことがあります。


ヴァンドーム広場近くにある(ホテルリッツがある所です。)ジャン・ポール・エヴァンに始めて行った時、ショーメやカルティエ、ヴァンクリーフ&アーペンと軒を並べるショコラティエに『高級宝飾とチョコレート!!』と度肝を抜かれました。銀座にもここ2,3年の間に世界中のショコラティエが数々出店しましたね。日本での菓子のステイタスが上がった喜び半分、チョコレートは産業となったような寂しさ半分、複雑な気分です。

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シャネル、ルイ・ヴィトンエルメスといったヨーロッパのブランド品が日本での売上を益々増やしているそうです。昔、「ナポレン」という名前だけでウキウキとお土産品にブランデーを買い込んだ時代を考えると、いわゆる「舶来信奉」から少しは文化としてのヨーロッパを理解し始めているのかもしれませんが、ことチョコレートに関してはやっと本当の美味しさやヨーロッパの事情が知られ始める取っ掛かりのところに達し始めたばかりのように思えます。


パティシエなんて言葉が広まったのでさえこの数年のこと、ショコラティという呼び名を田舎町の小さな子供も理解できるようになるのはあっという間なのでしょうか。チョコレートがヨーロッパのように文化として根付き、美味しいチョコレートが広まるようになれば、一個¥260が当たり前に思えるのか、もっと安くなるものなのか。さて、どうなんでしょう?


いずれにしても、チョコレート好きとしては大手の流通品だけでなく様々バリエーションの美味しいチョコレートが広まってくれるのは嬉しいことです。