久しぶりの東京寿司

従兄の結婚式でウェスティンホテル東京へ出かけてきました。


ついでに、というより、ここぞとばかりに「東京メシ」を楽しめる、と、予約の電話をしておきました。昼が披露宴のフレンチのフルコースですからお寿司。以前から狙っていた「與兵衛」さんへ出かけました。


ネットでお付き合いのあるこの方http://www.lares.dti.ne.jp/~windtown/diary.htmやこの方http://www.satonao.com/のお話でその仕事の素晴らしさは予想していたものの、実際味わってみると口に入れてはニンマリ・・・というよりも、声を出して笑ってしまいそうになるほど美味しい。


鮪づけ;赤身の血の旨味が凝縮した仕事。
平目甘酢漬け一味と浅葱:甘酢と酢飯のマッチングの後味に一味のパンチと浅葱の香りが追い討ちをかけます。
平目胡麻醤油漬け:同じ平目でも味わいがまるで変わります
新烏賊含ませ:小烏賊の上身をあっさりとした旨出汁に含ませてあります。烏賊の甘みがより増します。
巻海老甘酢漬け:甘酢の仕事はどれも酢飯のスッキリした味わいとのバランスが素晴らしい。
縞鯵たたき:これまで食べた縞鯵の中で最高の仕事。炙った縞鯵の香ばしさと小さめに三貫切りにしてにぎった細やかさに脱帽。
コハダ 鰯 〆鯖:〆もの三種類すべてが、それぞれの持ち味を生かした〆め方でどれも唸るほど美味しい。
キス:塩をあて、湯通ししてオボロをかませてあります。オボロはあくまでキスの味の引き立て役です。キスの素材感は極上。
北海貝甘酢漬け:ホッキはこれまで見た最上の品物。
煮烏賊:するめ烏賊をしっかり焚いた煮烏賊。焚いたするめ烏賊がこれほど美味しいと和食の職人としては太刀打ちできません。
煮蛤:ぎりぎりまで火を入れた蛤はかむほどに味わいが出てきます。生に近いことが正しいことではないことを教えてくれます。
玉子焼き:海老のすり身ではなくて、小柱のすり身を入れて焼き上げた玉子焼きは、小柱の香りが後味として鼻をぬけます。
穴子:手で持った瞬間に指が美味しさを伝えてくれます。口の中でとろけてなくなってしまう。
干瓢:しっかり焚いた干瓢を寸取りしてにぎってあります。最後に上質の奈良漬けで閉めたような味わいで最終を飾ってくれます。


すべてに仕事をしてあることはよく認識していたのですが、その仕事が伝統的なものだけでなく、独創性のある彩りも加えられています。独創性は時として独りよがりであったり、上っ面であったりすることが多いのですが、與兵衛親方の仕事には「創作」っぽい浮ついたところが微塵もありません。職人の培われた美意識がゆらぎのない仕事になっているのです。


なにより、寿司といえばひたすら鮮度、活け〆の活身の良さという「新鮮信奉」をガラガラと崩してくれています。こんなに一貫した主張のあるお寿司をいただいたのは初めてでした。


通いたい、通うべきお寿司屋さんです。