ブーム


世は焼酎ブームであります。


田舎町にも焼酎バーができ、芋焼酎の注文は私ン処のような料理店でも大変増えました。7〜8年かけてあれこれラインアップを考えてきた取り組みがやっと陽の目を見た・・・・といってもいいのですが、リストをご覧になって注文するお客様の志向はどうしても有名焼酎に傾きます。


森伊蔵 村尾 伊佐美


麦焼酎では未だに百年の孤独


人気があって生産量が少なくなれば値段は上がります。楽天あるサイトをご覧になればわかるようにどれも高々¥2000-¥2800くらいの値段の焼酎が、森伊蔵で¥30000-¥40000、村尾で¥20000前後、伊佐美で\8000前後、百年の孤独で¥10000-¥15000、そのほかの有名焼酎も少々名前が売れれば¥5000以上の値段がついています。


コストパーフォーマンは高いとはいえ、¥2500の焼酎は確かに¥2500の味であって¥10000以上払って飲むお酒ではないと思うのです。プレミア価格のついた値段の差額が蔵元に入るわけではなく、少量を真面目に一生懸命作っている生産者は全く潤いません。逆に少量生産だからこそ美味しいものができるのだ・・・・と大量生産に切り替えず踏ん張っる蔵元のがんばりは、プレミア価格というねじれた形で世の中に現れてしまいます。


一番人気の森伊蔵は、ずっと以前に蔵元へ電話をして「販売店を教えてくださいませんか?」とたずねても「そちらに注文が集中してしまいますので、申し訳ありませんが」と販売店も教えてくれませんでした。その代わりに、とコンピューター電話予約システムを教えてくださったのですが、その当時は何度か抽選に当たったものの、今ではどんな深夜に電話をかけても電話が繋がらないほどの混雑振りです。一部の噂では200回線くらいの電話をコンピュータで操作して電話をかけまくっている人間までいるのだとか。確かに手に入れば10倍の値段で売れる焼酎ならばそんなことがあっても不思議ではないと思ったりもします。


あれだけ凄いブームがあったワインでも、一本の値段が通常価格の10倍が当たり前という値段が長く続くようなことはありませんでした。


日本酒でも十四代などの超人気銘柄を除けば、せいぜい2〜3割り増しの値段、2倍の値段は少ないほうでしょう。


今の焼酎のプレミア価格は異常です。


美味しいものを真っ当な値段で提供したいという蔵元や料理店の思いは、ブームが去らなければ無理なのでしょうか。


「一度は飲んでみたい」と皆さんがおっしゃる森伊蔵など、飲みたい人すべてに一回飲ませてあげれば¥40000という値段を嬉々として払う人などいなくなると思うのですが。。。。(美味しい焼酎であることは確かなのですが)