カラオケとフルバン


ウオーキングの友に選んだ山下達郎”RARITIES”


二枚あるCDの一枚を何気なくさっと選んでCDウオークマンに入れ、ウチの子(犬)と一緒に歩き始めました。軽快な”BLOW”イントロが聞こえてきて、さあ、と思ったら歌が始まりません。うっかりボーナストラックのカラオケヴァージョンを持ってきてしまっていたのです。二枚のうち一枚がカラオケヴァージョンであることさえ忘れていました。


それなら口ずさもう・・・・と思ってもこれが案外覚えていないものです。


ヴォーカルものを聴くときも、メローディライン50%、編曲20%、バックミュージシャン10%、歌詞20%の割合でしか聴けないメロディ重視派ですし、カラオケなんぞも全く行ったことがないものですから、好きな歌手でも歌える歌がほとんどないという情けなさです。


一昨日やっぱりウオーキングの友にしていたダイアン・シューアはカウント・ベーシー楽団が伴奏です。ダイアンの歌声はベーシー楽団と一緒に歌えるのが嬉しくてならないというほど気持ちよくスウィングしていました。


今はカラオケで歌うことが当たり前になり、アマチュアバンドもごく普通に若者が経験している時代です。心地いい伴奏を当たり前に思っている方々でも、フルバンドをバックにした経験のある人というのはなかなかないのではないのでしょうか。


特にジャズの場合、15人編成位のフルバンドをバックに歌う気持ちよさというのは格別なもので、カラオケはもちろん小編成のバンドの比ではありません。15人が一丸となってスウィングし、ゆさぶられるような大音響の中で歌ったことがある方は、アドレナリンが全身に溢れるような興奮を感じるのです。15人の屈強の家来にかしずかれた女王様気分といったところです。


フルバンド・ジャズの高揚感というのは、そういううねるよなドライブ感と、叫びだしてしまいそうになるスウィング感にあるのですね。普通では経験できない幸せがそこにはあるのです。


そりゃもう、カラオケやコンピュータで打ち込まれた伴奏など足元にも及びません。


自分の歌いたい歌の編曲を依頼し、フルバンドを雇って歌ってみる・・・・なんてのはカラオケの100倍贅沢・・・・だれもやらないでしょうが。