日本酒と料理


TVローカル局静岡県酒とその周辺を取り上げるような番組をやっていて録画しておきました。


磯自慢、正雪、喜久酔など、それはそれなりにいい紹介をしてくれていたのですが、お酒にあわせる料理となると・・・・・。


磯自慢には地元焼津のおすし屋さん。磯自慢さんがそのおすし屋さん専用にタンク一本特別本醸造を用意しているのだそうです。店自慢の握りを紹介しながら「このお酒にあいますねぇ」って、握りを食べながら日本酒を飲む人がどれだけいるのでしょう。そのお店だって実際には日本酒を飲む方にはそれなりのつまみを用意していらっしゃるはずです。つまみで飲んだ後、握ってもらわなければ気持ちが悪いです。


由比町の正雪さんは地元の蕎麦屋さん。ラッシャー・板前さんが蕎麦を一口食べて正雪の大吟醸を飲み「蕎麦に日本酒ってあいますねぇ」って、これも蕎麦を一口食べて日本酒、もう一口食べて日本酒なんて野暮な蕎麦の食べ方はしたくありません。焼き味噌やいたわさで一杯やった後、蕎麦をささっとたぐるのでなければ蕎麦を打ったご主人にも申訳ありません。


日本酒とお寿司、お蕎麦との関わりというのはそういうもんだと思うのです。


TV番組作りのこういう雑なところがとても嫌です。


せっかく静岡にはこういう素晴らしいお酒と志ある造り手がいるということを紹介しようというのに、現場での製作がきめ細かくないというだけで台無しです。


などという重箱の隅をつつくような感想を持つのは私だけなのでしょうか。


もう一つ、正雪さんで紹介された蕎麦屋さんは、蕎麦打ちのための水を蔵元の仕込み水を使っていらっしゃるのだそうです。


お水に対して真摯な姿勢を貫くのはとても立派なことだと思うのですが、「正雪の水で打った蕎麦が正雪のお酒にあわないわけはないですよね」というような感覚的なお話で、お酒と料理との相性を語りたくありません。


フランス料理でワインの選択に、ソースに使っているワインと同じ種類、地方のワインを選ぶというのと訳が違うと思うのです。


最近とみに日本酒と料理の相性について語られることが多くなりましたが、私はワインと料理とのマリアージュとはまた別の方向でも日本酒の楽しみ方を考えたいと思っています。


そのお話はまた後日。