日本料理の飲み物


日本料理を食べる時に飲み物をどのように注文なさいますか?


「とりあえずビール、あれば生ね」


「次は焼酎にしようかな、」「梅割」「おれウーロン割」
もしくは
「熱いの頂戴」(熱燗のこと)
もしくは
「冷酒頂戴。何があるの?八海山?久保田ないの?万寿」「何でもいいから辛口頂戴」


20年前なら「水割り頂戴」
15年前なら「吉四六ない?」「スーパードライ置いてないの?」


思い当たらないでしょうか?こういう注文の仕方。


美味しい飲み物を提案できない料理店のせいでもあるのですが、多くの料理店の現実は未だにこうです。


昨日のこと、初めて見えるある大きな会社のえらい方の注文が「焼酎頂戴、梅割で」とお聞きし、改めて世間の常識を認識し直したのです。


食べることや飲むことを楽しみにお見えになった初めてのお客様には「お湯割やロックでとても素性のいい焼酎がありますが」とか、「冷酒やワインにも気の聞いたものがございますが」という無理のないところからお奨めを紹介するのですが、商談なり接待なりの雰囲気のお客様には料理屋側の勝手な思い込みを押し付けてはいけませんので、注文されたものだけを何も言わずにお出ししなくてはいけません。


一見のお客様に飲み物の店のスタンスをお知らせするのは難しいことです。


「冷酒を料理に合わせて何種類かいかがですか」とか
本格焼酎各種あります」とか
「幻の銘酒あります」
などとお座敷に張り紙するわけにはいけませんもんね。


ある意味私のお酒への思い込みを押し付けるようなやり方は、お客様からするとはた迷惑な店に見るかもしれません。そういう戒めを持っていることが必要です。