お子ちゃまとお子様


忘年会のシーズンが、近づくと普段あまりお見えにならない世代の方々が来店されます。


昨日、早めの忘年会で20代前半の女性が何人かお出でになりました。


自家製唐墨 ダメ
いくらご飯 ダメ
ブルゴーニュ ワイン (アンヌ グロ) ダメ


「お飲み物はいかがしましょう」
「焼酎はどんなのがありますか?」
「芋 米 麦 黒糖などの選んだ物がありますが」
「焼酎の葡萄割りとかありますか?」
「ヘッ?」
「サワーはどういうのがあります?」
「・・・・・・」
お連れになった上司のお得意様が
「すみません。この子達こういう処に慣れてないもんだから。お料理もお子ちゃまメニューみたいなヤツでいいんです。すみません」


確かに、最近チェーンの居酒屋さんに置いてあるような物しか食べられない若者がいらっしゃるようです。


一方で、七五三のお祝いでお見えになったお得意様のご家族は、お父様もお母様も独身時代からのお付き合いで美味しい物が大好きです。


三歳のふうちゃん、白川の昆布〆バクバク、お椀の鶯菜 大人の分も全部食べちゃう、三陸の鮪 オカワリ、堂萬蟹(浜名湖の稀少な蟹です)ムシャボル。


八ヶ月のりくちゃん、蟹真蒸・大野上庄の里芋をもっとよこせ、もっとよこせとせがむ。


たぶんこの地で一番贅沢な三歳児と0歳児です。


でも、嬉しい。


子供の舌にウソやお世辞はありませんから。


もう一方で、お得意様のご家族はご両親そろって日本酒マニアです。中学生の女の子のお子さんは、おだしする4〜5種類の極上の日本酒をほんのひとなめづつすべて味あわれ、コメントもいちいち気が利いてます。たぶん日本中で最もアグレッシイブな女子中学生のはずです。


20歳にしてお子ちゃまと20歳が楽しみなお子様、家庭環境の違いなのかDNAの違いなのか。