名演その3
実を言うと三大テノール、パヴァロッティ、カレーラス、ドミンゴの集まりはあまり好きではありません。
だって三人とも本気じゃない事が多いから。
もっとも、企画自体が「お祭り」ですし、人の喉を楽器にしている歌い手はこのクラスのビックネームになると、年に何回も本気で歌う事はないのだそうです。
毎回毎回思いっきり喉を酷使していたらあっという間につぶれてしまうとか・・・それほど彼らの本気の実力が凄いということなのだという証でもあります。
ですから、この三人、特にパヴァロッティが本気で歌っているCDは強烈です。
今ではパvロッティはオペラに出ることもほとんど無く、コンサートといえば巨大コンサートでつまんなくなってしまっていますが、その声は神から与えられたものだと確信しています。
「TUTTO パヴァロッティ(パヴァロッティ 魅力のすべて)」はCD二枚分約ニ時間本気印のパヴァロッティに溢れています。
と、生意気を言っていますが、ホントはこのCD「カルーソー」一曲を聞きたいがために買ったCDです。
渾身のアリアが続く中で最初のただ一曲(カルーソー)だけがポップを歌っています。
唱法もクラシックのそれとは違うのですが、こういう歌い方をしても言語を絶するスーパーテクニックで聞かせてくれます。
歌うというのはこう言う事なのだよ・・・・宗教の説法をしているようです。
最近人気のテノール アンドレア・ボッチェリも同曲を歌っているCDがあるのですが、申し訳ないけど「聴くんじゃなかったな」と思ってしまいました。
そりゃ、神様からもらった声と比べちゃいけません。
オペラのアリアに拒否反応をしめす方も、このパヴァロッティの「カルーソー」だけは騙されたと思って聴いて見るのもいいと思います。すごいぞぉ。