南〜秋鹿


「南」というは高知県安芸の蔵です。


この2-3年、力のある酒屋さんで見かけるようになり、量は少ないのですがコストパーフォーマンスに優れた日本酒を造ることで脚光を浴び始めています。


半月ほど前、お付き合いのある酒屋さんに注文の電話を入れた際「南の金賞受賞酒がもうすぐ入ります」と教えていただき、無理を言って数本とってもらいました。


普段、純米大吟醸の最上級クラスでも一升¥6000位の蔵が、四合で¥5000.。


兵庫産の山田錦をふんだんに使い、切れ味と腰のあるお酒に仕上がっていました。


この蔵が鑑評会で金賞をとったのが初めてなのか?資料がありませんのでわかりませんが、少なくとも金賞受賞酒として世に出すのは初めてではないかと思います。


パッケージングも酒質も自信に溢れ、金賞受賞の喜びに満ちているように感じられます。


全国区ではまだ新進気鋭の蔵にとっては大きな意味のある一本なのでしょう。そういうお酒を使わせていただけるのは嬉しいものです。


「秋鹿」は大阪 能勢の蔵です。大阪といってもほとんど兵庫県との県境、山に囲まれた古くから酒米の産地として有名な場所にあります。


この蔵の最高峰「一貫つくり」は蔵の自社田で栽培された山田錦を使用し、米つくりから酒造りまでの一貫つくりを目指している志のあるお酒です。


この一貫つくりの1991年産を分けていただきました。


冷温で10年間寝かせてあったものです。


もともとこのお酒は仕上がりがゆっくりで、封切り後何日かしてから味が乗ってくるという印象があるお酒だけに、10年という歳月は新酒の華やかな香りをかもし出すものとは一線を画す厚みのある味と、アフターテイストに感じるほのかなひね香が長い余韻を生む独特のお酒を創りだしていました。


なにより、1991年という年は、一貫つくりが初めて産声を上げた年です。


蔵にとっては記念碑的な意味のあるこういうお酒を使わせていただくのはやはり光栄です。