減る


昨年の今ごろ、京都で買ってきた砥石のひとつがもうなくなってしまいます。


写真の手前、木に張りつけてあるのが後数ミリでお終いです。


後側のが新しく送ってもらった同じ種類の砥石です。


天然赤門前といって柔らかい砥石ですので、まさに消耗品です。一年で使いきってしまうのは金額的にもちょっと辛いのですが、なにしろしっとり刃がつく優れものです。なかなか他の物は使えません。


一方、この砥石で研いだ包丁。


手前のは15-20年使った柳刃包丁、後方は若いスタッフが最近買った物です。


刃が小さくなると同じに柄が細くなります。


職人はこの柄が汚れているようでは腕が悪い証拠だと言われたりするのですが、この位まで使っていると手になじんで離せなくなるものです。


とはいえ、よく包丁を砥いでいようが、包丁の手入れが行き届いていようが、お客様には直接は関係無い事です。


職人の中には包丁にもすぐに「道」を創ってしまう方もいます。


「包丁道」


包丁に象徴的な意味を込めるのはいいのですが、あくまで道具です。


所詮使い心地よく切れればいいのではないでしょうか。


怒られるかな?