セブン〜ファイト クラブ
見逃していた映画「ファイト クラブ」と、続いてBSで放映した「セブン」を見ました。
両方ともデイビット・フィンチャー監督作品です。
フィンチャー作品と言うと「エイリアン3」とか「ゲーム」も含め衝撃的な作品ばかりです。
「ファイト クラブ」のどんでん返しも面白かったのですが、すでに劇場で見ていた「セブン」がより興味深く見られました。
映像自体が衝撃的なのと、ラスト部分が居たたまれないほど悲劇的なのばかりが頭に残っていて、いい映画とは思いつつあまり繰り返して見たいとは思わなかったのです。
ところがじっくり見てみると、こんなシーンの積み重ねがあってラストを向かえるのか、と緻密なディーテイルがよく頭に入り、さらに役者一人一人の演技も楽しむ事が出来ました。
まだほとんど無名だったグイネス・パルトローはとても初々しく、モーガン・フリーマンは黒人の役作りの中だ最も知的で、犯人役がケヴィン・スペイシーであったことを最後のエンディング・クレジット見るまで気が付かないほど彼の演技は素晴らしいものでした。
ストーリーと映像のインパクトで気が付かなかった映画本来の重厚感が二度目でやっと少し見えてきたのです。
凄い映画です。凄すぎて素人には一度見ただけではわかりません。
たとえば、マイケル・チミノの「ディア・ハンター」などもそうでした。
20何年前最初にロードショーで見たときには、ロシアン・ルーレットのシーンの迫力に2-3日頭が正常に動かないほど衝撃を受けて、凄い映画だけれどもう見たくないと思ったほどでした。
やはり、すべてを含めていい映画なのに衝撃が大きすぎてほかが見えなくなってしまうのです。
こういう映像表現をもつ映画監督と言うのは本当にすごいものです。
映画ファンのお客様で、ロードショーで見た映画をDVDで繰り返し見るために、自宅のオーディオ・ヴィジュアルシステムを充実させた方がいらっしゃいます。
いい映画というのは、小説やCDのようにそうやって繰り返し見る時代になったようです。