焼酎の飲み方
以前に普通の焼酎というご注文に、麦焼酎をお出ししたら「この焼酎変な匂いがします」とおっしゃった若い女性がいたことを書いたことがあります。
先日はこの症状(?)がいい歳の男性にも・・・。
50代半ばくらいの男性数人、大手の支社長、中小企業の社長、とお見受けする方々が焼酎のご注文でした。
「芋、米、麦、黒糖、泡盛、どんな焼酎がよろしいでしょうか?」と伺うと
「普通の焼酎を私は水割り、こっちは梅割、こっちはウーロン茶割で」とおっしゃいます。
普段なら、「私どもの焼酎は梅やウーロン茶で割ってしまってはもったいないと思いますので、できればお湯割りか水割り、ロック、ストレートでいかがでしょうか?」と申し上げるのですが、この世代のこの手のお客様にはそういうお勧めは不興を買うだけです。
余計なことは言わずに一番香りの少ない麦焼酎で「各割り物」を作っておだしすると
「もっと匂いのない奴で欲しい」とおっしゃいます。
(匂いじゃなくて香りなのに・・・)とはおくびにも出さず
「かしこまりました」と近所の酒屋に走って、無味無臭、アルコールというだけの焼酎を買ってきてお作りすると「これがいい」と納得していただきました。
やはり巷では焼酎は梅、レモン、お茶、ウーロン茶で割るものなのでした。若者だから年配だからという括りではとらえられません。
ここでも、一般大衆は大手の戦略に見事に乗ってしまって、焼酎の本来の美味しさを知らないでいます。
とはいえ、麦焼酎を梅やレモンで割るのも無理な話。無味無臭の焼酎を梅、レモン、ウーロン茶、日本茶、山葵、トマト、きゅうりなどで割る(割るとは言えない物もありますが)飲み物が氾濫している事も事実。
そういう世の中に迎合すべきなのか?肩肘張って「焼酎とはこういうもんや!」と言いつづけるべきか?
麦の香り、芋の香りの素晴らしさが認知されるのはいつのことなのでしょう・・・・。