エンゲル係数
食べ物商売をしていますので、エンゲル係数は人並み異常には高いと思います。
稼ぎが悪いせいで、もともとの生活費が多くないこともあるのですが。
外食をするとき、どのくらいならお金を出してもOKなのか?
全く人それぞれです。だからこそ、いろいろな値段帯の店があります。自腹であればなおの事です。
あなたならいかがでしょう?
恋人と二人、夫婦二人で、ちょっとおいしいものを気張ってみようと思ったら、いくらくらいが相場ですか?
飲んで食べても一人¥3000までという方から、¥20000までは十分などという方、もっとという方、要はその方の経済状況と食べ物に対する考え方の違いです。
昨日お見えいただいた忘年会のお客様8人のグループ。
一年間積み立てをして来てくださいました。会費が一人一万五千円。
温泉旅館で一泊飲み放題でもできる金額です。
普段にはこういう店は使えませんからと、お料理もお酒も大事に大事に味わってくださいました。
一方で、隣の部屋には去る大会社の重役。
30年以上も私ン処を贔屓にしてくださり、年間20回近いご利用をいただいています。とは言っても、多くが接待で(受ける場合もする場合も)、笑い声は絶えなくてもいつも気を張ったお座敷です。
同じ金額、同じ料理、同じお酒、同じ器だとしても、二つのお席はずいぶんと違うものです。(もちろん店としてのお持て成しというのか、気遣いの仕方は二組とも全く違います)
昨日掲示板で話題になっていた「吉兆」「招福楼」「千花」あたりの値段は料理だけで¥20000〜¥50000飲み物税金サービス料が加われば大層な金額です。
このくらいりっぱな値段になると、こちらのほうが¥2000安いからとか、ビールを一本追加すると予算オーバーするし、などという考え方はどこかへいってしまいます。
私などもこういうお店に「勉強 勉強」と出かけたことはありますが、財布のことを思うと青息吐息です。
が、
総額で¥30000を超えるような店では、日本料理でもフランス料理でも期待を裏切られたことはありません。そのリッパな値段が高すぎると思ったことさえありません。
さすがにどの店も、そういう値段でお客様を呼び、納得させるだけの力をもっているという証です。
何度も繰り返し言っていますが、高い値段を取れる店がいい店ではありませんが、その値段が正当であると評価され、それを維持していけることは本当に大変なことです。庶民からかけ離れているといわれても、私はその分野の頂点として尊敬しつづけます。
そういう店の緊張感と心地よさだけでも手に入れたいと思います。