七五三

そろそろ七五三の季節です。


休日ともなると、神社には着飾った子供たち、親御さんで溢れんばかりになります。


子を持つ親ともなれば、子供たちの成長を改めて喜ぶ節目ともなるお祝いです。


その昔は、子供の死亡率は大変高く、三歳、五歳、七歳と無事で育ったことを喜ぶのがごく自然であったと聞いたことがあります。


地方による風習でずいぶんと違うものですが、この地では、昔七五三のお祝いは、子供と親のものだけではなく、近しい親戚、仲人も含めた祝い事でありました。


七五三には、祝儀としてお祝いの品が届き、送った親戚、仲人はその家にお呼ばれして、酒を酌み交わし、料理を食べ、引き出物を持ち帰ったのです。


少々下って、お呼ばれしないまでも、お祝いをいただいたお返しに、折り詰めをおくばりし、神社でのご祈祷の後、各家に子供のお披露目に伺ったものです。


ですからその頃は、七五三のお返しの折り詰めの注文となると日に100個以上の数をこなしていました。


そうして、家族、親戚、仲人一同で子供の成長を祝うハレの日であったのです。


仲人が存在しない結婚式が全体の50%になっ昨今、「七五三に仲人さん」なんて招待するべくもなく、親戚もお祝いを贈るほどの付き合いをすることが少なくなったとはいえ、おじいちゃん、おばあちゃんには喜んでもらいたいもの。


昨日は、お昼に二組の七五三祝いのお席がありました。


女の子三人を一緒にお祝いする、かわいらしくてにぎやかなお得意様。


男の子二人の気持ちいいほど食欲旺盛な、やっぱりお得意様。


両方のお席ともご両親以上に、両家のおじいちゃま、おばあちゃまの孫の、成長に目を細めた笑みが印象的でありました。