今時の若者


一昨日のこと
20代前半の娘さんと連れだったお得意様夫婦
若い女性が来店することは頻繁ではありません。
その娘さん
「焼酎のレモン割りをください」

麦焼酎の良いものにサンペレグリーノ レモン
一口飲んで顔をしかめられました。
「これ変な臭いがするーー」
焼酎が多すぎたか?
レモンが少なすぎたか?


もう一回作ってもダメ。
「こういう臭いじゃなくて、普通のレモンサワーをください」


アッ!


無味無臭の焼酎を使った(純とか大五郎とか?)
レモンに普通の炭酸でなくてはいけないのでした。


お総菜用に牛すじ肉を煮込むときに入れる焼酎を使って作ると
「これがいいですー」
こういうのを出したのは5年ぶりくらいでしょうか。


「他にお勧めできる飲み物もありますが」
「私、これ以外ダメなんですー」
「・・・・」


鮪の山掛けをお出しして
「かき混ぜてお召し上がりになるとおいしいです」
「かき混ぜたのは食べられないーー別々に食べた方がおいしそうーー」

結局残されました
いい鮪なんですけど。


お客様が一番好きなものを好きな方法で食べるのが最善と理解はしているのですが、


これなのですね
今の若い世代が、自分の好きなものだけを受け入れ
イヤなものはイヤ
範疇外のものは善し悪しを確かめる以前に拒絶するというのは・・・


こういうタイプの方がそのまま15年20年後に私ン処のお得意さま世代になったら
商売を続ける自信がありません。



その翌日
NETお得意さまのTさんとご一緒の娘さん
全く同じ世代なのに
料理もすべて気持ちよく平らげられ
モートサビット グースに新鮮な驚きをあらわし
黒龍八十八号を正しく評価され
ラトリシエール シャンベルタン'88(ラペ)をお話も含めて充分楽しまれました。
親子揃って実に筋のいいお客様ぶり


やっぱり、若者を紋切り型で判断してはいけませんでした。


15年後も調理場に立っていられそうな嬉しい予感