どうなるワイン屋さん


明らかにワインはブームではなくなってきました。
夏を過ぎた頃からお手頃なテーブルワインはだぶつきが目立ち始め
業者は焦り始めているようです。


ワインブームになる前
ある酒屋さんがとても良い赤ワインを探してきました。
フランスに行って自分の足で。
コンテナで大量に輸入することで価格も抑え、
有名な文筆家のお墨付きまでいただいて脚光を浴びました。
ワインブームになってからも
新たなワイン生産者を見つけ、畑の前で生産者と写真を撮り、それをカタログに載せ
お手ごろ価格を次々を紹介することで日の出の勢いと言っていいほどの急成長ぶりでした。


先代は地元の地酒を支援し続け
その地の酒が全国区レベルに成長する事に大きな力を発揮しました。
現当主は日本酒よりもワインへ
日本酒への努力は先代の水準で止まってしまい、見るものはありません。
ワインも本当に「めっけもん」として評価できるのは数種類。
いくらフランスへ熱心に出かけたといっても、
生産者と友情関係を結ぼうと
値段以上にすばらしい生産者を自ら探し当てるのは至難の業です。
私なりに厳しい見方をすれば
使えたのは最初に見つけた一種類だけでした。
それも、今のように安くてそこそこのワインが、新大陸も含めぞくぞくと現れれば
存在は霞んでしまいます。


やはり、ワイン好きが皆納得するような生産者はフランスでもごく少数です。
ワインブームのおかげで私でさえそのことを理解し、実感しました。


このワイン屋さんが集めたワインは今後どうなるのでしょう。
買いたいと思うワインも日本酒もその店にはなくなってしまって
お付き合いが薄くなってしまいましたが
人間的にはとても魅力的な方だけに
心配です。


友人のシェフの言葉
酒屋の「すごくいいワイン」を真に受けちゃいけない。
「このワインと心中してもいい」くらいがそこそこのワイン。


言えてる