四年ぶりの夏休み
四年ぶりに夏休みをとりました。
とはいっても、定休日をはさんで三日間だけ。
子供達がみな東京で社会人になって、家族旅行の必要がなくなり、休みといっても夏の暇な時期、お客様の予約が入っていない月曜日あたりを休んで連休を取るくらいでお茶を濁すのがずっと続いてたのです。もちろんスタッフは交代で休んでもらっていましたが、私自身は休む気になれない。。。というか、心のゆとりがない時間が数年続きました。
自分で店を切り盛りする方であれば理解していただけるでしょうが、日銭商売、休んでる場合じゃぁないぞ、1日でもお客様を逃さないで働かなくちゃ、という強迫観念。連休をとったら次に店を開けたら予約はずっと入らないんじゃぁないかという恐怖。仕事をしている方が精神的に楽に思えたりする時期が長い商売の間には必ずあります。
夏休みも取らずに頑張っている自分と、世間並みに四五日連休を取る自分の差は、たった数日でも大きいのです。
考えてみたら心筋梗塞で二ヶ月近くも休まざるをえなかった時があったのですから、二週間の休みを取ったって行けるじゃん。。。とは、貧乏性の私には全く思えません。
ともかく、心のゆとりが少しできて休みを取る気になった夏休みでした。
私たち夫婦にとって、どこかに出かけるということは、イコールどこで何を食べるか?です。
車中の景色や観光名所、温泉も大事ですが、美味しいもを食べる以上にお出かけの最優先事項はありません。どんなに美しい風景を見られても、その日のご飯が最悪であったら全ては帳消しになってしまいます。まさに食い意地のみ。
未知の場所でどんな店を選ぶか?あなたならどうされますか?
私が絶対に選ばないのは「TVでやってたあの店」「食べログで高得点のあの店」「ぐるなびで話題の店」「店構えを見てふらっと立ち寄る店」
選択肢としてあり得るのは、信頼をしている個人のブロガーがお薦めしている店、さらに角度が高いのは、同じ志を持つ料理人が紹介してくれる店(直接店主に連絡を入れてくれればなおよし) ブロガーお薦めの中でも、できればご本人にメールして「今回◯◯を尋ねるのですが、お薦めしていらっしゃったあの店は。。。」と直にお伺いします。
三回の食事があるとすれば、二回はこの線で予約が取れなければ旅行には出かけないかもしれません。
今回出かけたのは富山。
三十年前にちらっと立ち寄った金沢、四十年前に訪ねた山形、米子を除いては日本海側自体の経験がありません。この地でこぢんまりと生活をしていると、東京〜大阪新幹線 高速道路圏内でしか動いていないのですね。
訪れる気持ちになったのは、ずっと気になっていたリバーリトリート雅楽倶の予約が取れたからでした。このホテルにあるフレンチ”L'evo"の谷口シェフの料理を食べるのがメインの旅行でした。
で、
L'evoに出かけるとなったらまず相談するのはWEBマガジン ”lade”を主宰する根建夫妻です。
ご主人が富山出身、ladeでの紹介記事は、富山 浜松だけでなく、海外にまで広がり、このきめ細やかさと、綿密さは並ぶものがありません。
さらに、お二人はただの紹介ではなくて、ホテルマネージャー 料理人 ソムリエ メートル 工芸作家など、紹介されている個人能力の高い方々と直接親しくお付き合いをして人間関係を築いているのです。
「紹介者」としてこれ以上は考えられないほどのレベルなのです。
「◯月◯日に雅楽倶の予約が取れて富山に伺います。こんな日程を考えているのですが。。。。」と一言二言お声をかければ、
「お任せください。◯日のお昼の選択肢はこの店とこの店、翌日はこちらとこちらはいかがです?」「作家の◯◯さんはアポイント必要です。よろしければ私の方から」「◯◯さんとは連絡が取れました。◯日 ◯時にむかってください。携帯の番号は・・・」「お昼の予約が取れました。ホテルマネージャーにも連絡が入っています」「○○から先は道程がわかりにくいのでこの住所でgoogle mapを」
仕事のできる旅行代理店でもこれは無理、というレベルのアテンドをあっという間にこなしてくださったのです。
しかも伺う全ての店主、作家さんには「浜松の◯◯という店の主人が行くのでよろしく」と、多分三倍くらい大げさに名店主人来訪と伝えてくださったのだと思います。
旅行前にこれ。
すでに満ち足りた夏休みは保証されました。
もし、旅行に出かける時にladeでの紹介記事を見かけたら、必ず熟読すべきです。旅行雑誌の百倍信頼できます。