オリーブオイル


今ではどんなスーパー・マーケットでもオリーブオイルが買える時代です。


小洒落た食材屋さんやデパートに行けばかなり高価なものまで手に入ります。


いい時代です。


以前にもお話しましたが、伊丹十三さんのエッセイを読んでアーリオ・オーリオというスパゲッティ(当時はまだパスタなんて言っていなかったはず)があることを知ったのが三十年以上前のこと。ものすごく美味しいと書かれていて、エクストラ・ヴァージンオイルを一生懸命探して作ってみると美味しくもなんともなかったことを思い出します。


ディチェコなんてもちろん聞いたことも見たこともなく、当然のように国産のスパゲッティ。EX.ヴァージンオイルもジャパンブランドで香りもなにもあったもんじゃぁないただの油であったのでしょうね。


あれから三十年の間にイタリア料理は瞬く間に日本人の間に広まっていったんですね。




このオリーブオイルを使い始めて15年くらい経つでしょうか。三十年の間の劇的で急速な変化に比べて、同じものを十五年も使い続けること自体奇跡的なことかもしれません。さるイタリア料理店がご自信で直輸入されているものを分けていただいています。オリーブオイルって日本人のお醤油と一緒で、日常的に使うにはあまり高価でなく、ジャバジャバ使っても惜しくない程度の値段と、値段以上の味わいが必要です。そういう意味でも、あれこれ浮気をしつつ結局このオリーブオイルにもどってきていました。


オリーブオイルをお醤油感覚で和食の職人が使うというのがイタリア食材と日本人の相性の良さなんでしょうね。