*[お店] 予算の問題


接待で使っていただく場合、ご無理のない範囲で「どちら様とごいっしょか?」「上限のご予算はいかほどか?」をお伺いするようにしています。


近頃は個人情報なんらたかんたら・・・の影響か、予約のときでも個人名でご予約されたり、どなたとご一緒かを明かしてくださらない方が多くなっています。


先日のあるご予約は、料理のご予算と全体の上限のご予算をお伺いしていたのですが、どなたをお客様としてお招きになるのかは口を濁しておっしゃってくださいませんでした。当日、お越しになってみると、伺った料理のご予算に普段召し上がるお酒をお出しすると到底上限予算には収まりきらないお得意様のご接待でした。


こういう場合には、あくまで料理の値段を変えずにお出しするお酒を抑え目にするケース、料理の値段を下げさせていただいてお酒のレベルを下げないケースの二つがあるのですが、件のお客様にお酒の質を落として接待が成立するとは思えませんでした。大切なのは予算です。上限の予算の中に納まりつつ接待先の満足を高めること、そのためにあれやこれや食材をやりくして、お酒にも満足していただく算段をし、なんとか笑顔で終える会になりました。もう冷や汗モノ。


最初に「○○さんをお連れするから」と一言あるだけで満足度はまったく違うんですけどね。個人情報なんたらかんたら、長く続けている料理店にとっては暗黙の了解のうちに個人情報を管理しているんですけどねぇ。。。今風に杓子定規に考えるほうが私にとってはつらいことです。


そう、
予算のことで、さらに。


とかく高級店では「いくらぼったくられるかわからない」というイメージがあるようです。


私ン処は決して高級とまでは行かない店ですが、お客様がどのくらいの予算で満足してくださるのかにいつも気を配っているつもりです。ある意味お客様よりもドキドキしているのです。


「できれば○○円いないで抑えて」と予約の時点でおっしゃっていただくことくらい有難いことはありません。予算の範囲内で最大限の努力をすること、実は一番大切なことなのです。